卒論の提出は,任意ですが,
2019年度も何人かの学生が卒論を提出しました。
足立ゼミからは3人が卒論を提出。
卒論についてのインタビューに答えてもらいました。
トップバッターは,
飯塚大輔くん(網走南ヶ丘高校出身,2016年入学)です。
〇卒論の題名と内容を教えてください。
題名:最大判平成29年12月6日民集71巻10号1817頁の考察
内容:NHKの公共放送は、国民の知る権利、民主主義の発展に資する公共放送であるから、受信設備設置者はNHKと受信契約締結の義務があるとする判例を素材に、受信契約の締結を強制することができるのか否かを検討した。
〇卒論を書こうと思った理由を教えてください。
主に理由は2つあります。第一に、ただ単に、自分の抱いた疑問の解消です。受信契約は、契約の締結を強制している点において、契約自由の原則を制限する性質があると感じた。その理由付けを公共性や、放送法の意義に求めているが、私法の原則-契約自由の原則-を制限していい理由にはならないと感じたために、卒論を執筆しようと思った。
第二に、大学生として在学した証?が欲しかったからだ。なにより、自分は、勉強に関しては、あまり得意ではないが、ゼミでの判例研究が、学問の面白さを自分に教えてくれたと思う。
〇卒論作成で一番苦しかったことは何でしたか。
数多くの論文を読んで理解することです。理解したことを頭の中で整理して、文章化するのも難しいかったです。
〇在学生へのメッセージをお願いします。
みなさんは、何のために大学にきましたか。就職するために大学にきましたか?それとも、学問をやりにきましたか?それを意識せずになんとなく大学にきたという人もいると思います。答えは人それぞれだと思いますが、大学に進学した以上は、研究や学問?をするべきだと思います。なぜなら、なんとなく大学4年を終えるよりも、大学生として「何か研究をした」という証があると嬉しいし、誇らしいですよね。もちろん、内容は素朴な疑問でもいいし、ゼミの研究テーマでもいいと思います。しかし、残念なことに本学科は、卒業論文が必須科目ではないので、全員が履修するわけではありません。きっと多くの人は、「難しそう」とか「めんどくさい」とかの理由でやらない人が、多いと思います。それでは、「何のために大学にきたか」わからないですよね。大学は研究機関なので、みな自分なりに研究して、卒業していくべきだと思います。
最後に、私事ですが、私たちが授業を受けれるのも、ゼミで研究できるのも、卒業論文を提出できたことすべては、先生方の支えがあったことを忘れてはいけません。学問の面白さを教えてくださり、卒業論文を提出できたこと、多くの研究の機会を与えてくれたことに感謝しております。ありがとうございました。
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飯塚君の卒論・研究は,堅実なものでした。
研究としての,手順を踏んだものでしたね。
本テーマは,契約の根幹にも関わる問題でもあり,
じっくりと(歴史的にも,比較法的にも)
取り組む必要があるものです。
今後も,問題関心を深めていって欲しいと思います。
そして,その先には,
契約の付随義務の探求という大きなテーマが横たわっています。
指導教員としては,自分の仕事にかまけて,
適切なサポートができずに,申し訳なかったです。
しかし,いろいろと議論したこと,楽しい時間でした。
ありがとうございました★★★
(K.A.)