2020年3月9日月曜日

📚卒論の報告②📚

卒論についてのインタビュー第2弾です。

中堅は,
構口実祐さん(函館市立高校出身,2016年入学)です。

〇卒論の題名と内容を教えてください。

 題名は「Brexitの概要と展望」です。
 内容は2016年に行われた国民投票によって、EUからの離脱することになったイギリスの動向を追うものになっています。Brexitの意義、歴史的・政治的背景を検討し、離脱協定をめぐる議論を確認して、EU条約第50条、特に同条2項についての解釈を検討しています。最後に、Brexitがイギリスに及ぼす影響について私見を述べています。

〇卒論を書こうと思った理由を教えてください。

4年間の学生生活で、アルバイトやサークルではお給料が上がったり、賞を取ったりと目に見えるものを手にしてきました。その反面、学業の面で自分の納得いく実績を残してこなかったなと感じたからです。また、ゼミの先生と両親から執筆を勧められたことも理由の一つです。

〇卒論作成で一番苦しかったことは何ですか。

全部です。テーマ選定、執筆、添削、どれも本当に大変でした。
 テーマは前述のとおりですが、現在進行形のものかつ、初稿提出を目前にして急激に事態が動き始めたので、読み進めていた書籍に加えて、日々のニュースや新聞も見逃せませんでした。
 執筆においては、初稿提出では16千字程度、最終稿提出では25千字程度になりましたが、「なぜこんなに文字数があるのに論文が締まらないのか」と焦りました。また、私は何でも箇条書きにする癖があったので、論文のようにお堅いかつ分かり安い文章を書くことは容易ではなかったです。一つ一つの語彙、接続語、句読点の打ち方、全てにおいて苦労しました。
 書籍、論文、ニュース、新聞、少しですが洋書も読んでいて情報量はたくさんありましたが、いつでも文章に起こせるわけではなかったことも苦しかったです。全く書けない時期があったり、夜中にふいに文章が降りてきたりと波がありました。一学生ですが、先生や研究者の方々のような「生みの苦しみ」のようなものを体験出来たのは貴重でした。

〇在学生へのメッセージをお願いします。

 経済法学科は卒業論文を履修しなくても卒業できますが、私のように学業において何か実績を残してこなかったなと感じる人にはぜひ履修して書き終えてもらいたいなと思います。
書かなくても卒業できるのに何でやっているのかと聞かれることもしょっちゅうで、私自身も何でやっているのかわからなくなる時が何度もありました。それでも自分でたくさんの資料と向き合って、落とし込んで、先生に自分の考えをぶつけることを繰り返していくと、自分が授業やゼミを通して培った視点を卒論に大いに生かせたなと実感できる瞬間がありました。この瞬間は、何事にも変えがたい快感でした。
このように、卒論は学業で自分が身に付けたことを具現化する唯一の場なのではないかと思います。
私たち3人の卒論はこれから製本され、完成して見に行くことができるのは夏頃になります。その際に目に見える私の学業の証として手に取るのが楽しみです。

***
構口さんの卒論のテーマは,現在進行中の問題でした。
したがって,研究者による本格的な研究もなく,
研究があっても,外国語文献だったりで,
内容を詰めるのに,かなり難儀しましたね。
イギリスの保守党や労働党のマニュフェストも検討したり,
僕と外国語文献を読んだりして,
大学院の講義みたいだなと思ったりしていました。
そうしたなかで,
構口さんは,Brexitの概要を見事に纏めきりました。
構口さんの卒論を読んでいて,
こういう問題関心や切り口もあるのか,と考えさせられたり,
ゼミ時代,あまり感じることがなかった(失礼!)
文書の見事さ(読みやすさ)に感心したりしていました
(言いませんでしたけどね…)。
卒業しても,Brexitの行く末に感心を持つのだろうな
という構口さんの何気ない言葉を聞いて,嬉しくも感じました。

卒業後は,国際物流関係の仕事に携わる,とのこと。
卒論の経験を活かして,新たな世界で羽ばたいていって欲しいです。

構口さんの卒論でも,
僕は自分の仕事にかまけて,
十分な指導をすることができませんでした。
反省しています。
しかし,数ヶ月,いろいろ議論をして,
濃密な時間を過ごすことができて,楽しかったです。
ありがとうございました✿✿✿

K.A.)